我が関西大学も現在前期入試の真っ只中。我々教員は、ほぼ例外なく、何かしらの試験関連業務に駆り出されることになります。中でも監督業務は、やったことある人はわかると思いますが、かなり苦痛です。解答用紙や問題用紙の配布等の業務は単純業務。やり方はマニュアルに定められていて、創意工夫の余地は無し。というより、試験の公正性の観点から、工夫をしてはいけないのです。受験生を和ませるために話しかけたりなどもダメ。
最も重要な業務として、カンニング等の不正行為の監視がありますが、まあそうそうあることではないです。摘発よりも未然に抑止することが大事なので、出来ないように色々とマニュアルで手続きが決まっているのです。たまに不正行為でもあれば監督業務も一気にテンション上がるのでしょうが、もちろんそういうことがあってはいけないわけで。
そんなわけで、試験監督は何もしない時間を過ごすということが大半になるのです。これは結構、苦痛です。あー早くあのメール返信したいのに、、、とかそういうことが気になるわけです。
昔は、こんな単純作業を大学教員がやらされることに違和感を持っていました。こんなの業務委託でいいではないか、教員、職員の時給を考えたらはるかにそちらの方が安いではないかと。まあそう思っている先生は少なくないと思います。
しかし、最近はちょっと考え方が変わりました。自分たちの大学に入学する学生の選抜ぐらい、自分たちでやるべきだろうと。これはなかなか理屈で説明できないのだけど、自分のゼミ生の合否判定をかんがえると、これを人任せにするのはあり得ません。全学的な入試でそれが何万人も合格させるものだと思うから他人事になるのであって、自分がこれから育てる子たちと思えば本来そういう発想にはならないはずなのです。
業務効率化のためにアウトソーシングを活用する企業は増えていますが、災害時の対応でも、本当に強い組織は安易に外注せずに自前でやれる企業だと思います。学生の選抜ぐらい、大変ではあるけれど、しっかりと見守っていきたいと思います。開き直れば、監督の時間は脳みそを休める貴重な時間でもありますし。